カンソウ日記 vol.5 『MR. ROBOT season1』
1.あらすじ
主人公エリオット・オルダーソンはニューヨークに住む若者で、サイバーセキュリティ会社「オールセーフ(Allsafe Cybersecurity)」でセキュリティエンジニアとして働いている。人付き合いが苦手なエリオットは自身の天才的なハッキング能力でインターネット上に存在する知人の個人情報、交友関係を集めてはファイリングしていく。オールセーフの一番の取引相手である世界最大のコングロマリット「Eコープ(E Corp)」のサーバが攻撃に遭う。エリオットはその被害を最小限に食い止めるのだが、その日をきっかけに「f society」というハッカーチームに参加し、Eコープに保管されている金融データを破壊することによって、市民の借金やローンを帳消しにしかつてない富の再分配に挑む。
2.観た日時
2017年8月第1週目(約3日間に分けて視聴)
3.カンソウ
資本主義がもたらした貧富の格差と高度に情報化した現代社会において、本当の自分はどこに存在するのか。
際限のない利益追求は環境破壊を推し進め、あらゆる局面で社会を分断し続けている。すべての経済的現象の背景には政治があり、政治とは富とパワーの奪い合いを指す。SNSの存在によって複雑化したリアルとバーチャルの中で、孤独に押し殺されないために自分をどこに据え置くのが正しいのか。
既得権益層の崩壊を目論む点で白人至上主義団体KKKの素性を明らかにしたり、アメリカ国勢調査局の情報を暴露した国際的ネットワーク組織「アノニマス」の目指す方向性とも一致していると思われる。
そんな世界に挑む天才ハッカー集団「f society」はサイバー攻撃という手段によってより良き方向を模索する。また、主人公エリオットは薬物を常用しているためドラマ内でも現実と幻想が錯綜する場面があり、リアルとバーチャルという垣根の崩壊を意味している。
あとは、Raspberry PiやWiFiに侵入する場面でWEPやWPA、AESなどネットワーク関係の言葉やプログラミングに関連する用語が所々出てきて、僕自身はそこまで詳しくはないのですが本格的に創られているように思えました。